フリーウエイはブルース・スプリングスティーンの歌がよく似合う

 

昔、写真家藤原新也の「アメリカ」という本に触発され

車で同じルート、route80を通って

サンフランシスコ~ニューヨークまで横断した。

彼は、ダッシュボードに拳銃を忍ばせてキャンピングカーを走らせたが、

私は友人とハーツのレンタカーでモーテルに泊まりながら行った。

 

カーラジオから流れてくる音楽は、ワイオミングではカントリーソング、ネブラスカでは美しい調べ、都会に近づくにつれジャズやロックなど地域性が顕著だった。 

 

ネブラスカで偶然、スプリングスティーンの「ネブラスカ」を聴いて、

以来、ブルース・スプリングスティーンの渋い声とメロディーとリズムに魅了された。

娘はアメリカの歌は英語が分かると数倍面白いと言っていたが、

アメリカの歌は、底にユーモアや希望や皮肉や屈折や批評が潜んでいて、歌詞が良い。

意味が分かれば数倍楽しめる。

 

今でもスプリングスティーンを聴くと、

アメリカのフリーウエイを走っている気分になる。

 

サンフランシスコを出て初めて、ネバタの小さな町のケンタッキーで黒人に出会った。

小学生を連れた親子連れは、静かに注文し、食べて店を出て行った。

 

それから、アイオアのデモインまで白人だけしか出会わなかった。もっともロードサイドの町やモーテルしか知らないから確かなことは言えないが。

 

アメリカは地域と人でハッキリ線が引かれている。

ニューヨークやサンフランシスコやロスアンゼルスの大都市では分からない別のアメリカがあると感じた。