モンマルトルの丘

f:id:morgank:20181125003426j:plain

                  (モンマルトルの丘)

 

モンマルトルの丘は坂の多い下町。

十数年前、巴里らしいシャンソンが聴きたくて、

夜の9時にモンマルトルの一角にある、

シャンソン酒場「オ・ラパン・アジル」へ行った。

 

四角い部屋にステージはなく、数名の歌い手が順に歌う。

アコーディオン奏者が巴里の香りを醸しだす。

 

一緒に歌ったり、演奏を聴いたり、

リズムに合わせて体をスイングさせる

コの字型に座った客は、

日本の静かに聴き入るシャンソニェの客とは違う。

 

昔売れない画家たちの溜まり場だったという

 

今は観光客用のショーステージだが、

歌い上げる歌手たちと明るく賑やかに歌う客

いよいよ佳境に入って盛り上がる中、

地下鉄の終電を気にして、

12時過ぎの暗いモンマルトルの坂を下った

 

 

シャンソンの祭典、パリ祭

主催者石井好子さんは87歳で亡くなった。

 

晩年に出したアルバムで17曲を歌っている。

その一曲

 

「私は 私」

 

わたしは わたし

ほかの誰とも 同じではない

 

わたしは 思うまま

自然に 気儘に 

自分の人生を 生きてきた

 

それが 正しかったか  どうか

 

でも 歩いてきた道を 

変えることは できない

 

唄い続けた シャンソン

捨てることはできない

、、、

心の成熟と 声の成熟

心の老いと 声の老い

彼女の晩年の醸し出す魅力に打たれる。